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ねっけつ! じっけつ!! はもにか道

blow it untill the BLUES away!

『パッカー“VS”タング・ブロック』の問題 〜その2

 さて、続きです。

 

 パッカーとタング・ブロックのどちらが難しいか? 私に関しては「どちらも難しい」がその答え。

 

 私はパッカー奏法で8年近く練習してきました。そのうち最初の数年はシングル・ノート(単音)を出すのに四苦八苦し、次の数年はベンド(特殊な吹奏で音程を変化させるテクニック)を習得するのに苦しみ、そして、今も悩んでいるのは「響き」や「音色」について。

 

 ことパッカー奏法の場合、唇や舌の力の入れ具合、顎の開き具合などで響きや音色が大きく変わってきます。

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 最悪なのは、キスでもするように唇を突き出してハーモニカに当てるやり方。10ホールズの吹き口は穴間8ミリのピッチで並んでいます。このひとつだけを狙って息を吹き吸いようとすると自然とこうなるのですが、これでは絶対に良い音は出ません。

 

 唇が突き出すと口腔内の空間が潰れます。舌にも力みが入ります。こうなってしまうと口腔内の空気の通り道に捻れや歪みが出て、まるで鼻詰まりのようなボンヤリと篭った音になってしまいます。さらにひどいと音程まで狂ってしまい、微妙に全体がフラットした気持ちの悪い演奏になってしまいます。

 

 実例を聴きたいのであれば、私のユーチューブチャンネルにある数年前の演奏動画をどうぞ。あまりに恥ずかしいので、ここではあえてリンクしませんw

 

 こんな状態で人前で吹こうなんてものなら、唇や舌の緊張はさらに大きくなり、もはや演奏する以前の体たらく。あがり症の方が人前で喋ろうとすると、声が上ずったり裏返ったり震えたりしますね。私の場合はハーモニカを咥えた状態でああなってしまっていたのです。

 

 これは人間の唇や舌が、言語を使うためにその感覚と動きが繊細かつ鋭敏になってしまったからなのでは……と、ペンフィールドホムンクルスを眺めながらため息をついたりして。

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 これは脳科学ペンフィールド氏が作った大脳の運動野及び感覚野が体のどの部分に対応しているのかを表した図です。唇と舌の割合は、手指と並ぶくらいに広く占められています。つまり、言語を司る唇と舌、そして道具を作り使う手指、この3つによって、人間は文明を得て、人間たりえたのでは……とか本論とは関係ないですね。こりゃ脱線失礼w

 

 ともかく、少なくとも私にとってはハーモニカを演奏するにおいて唇と舌を上手に制御できない状態が長年続いたのです。それが、ある時タング・ブロック奏法を試してみたところ「これだッッッ!」と雷に打たれるような衝撃を受けたのです。いや、決して大げさではなくてw

 

 タング・ブロック奏法のパッカー奏法との大きな違いは、ハーモニカを深く咥えることにあります。これによって、パッカー奏法のように唇の形を細かく意識しなくて良くなります。さらに舌は『ハーモニカに押し付ける』という仕事が与えられるので、口の中で不用意に縮んだり暴れたり(いやほんとに。無意識にうねうねして演奏を邪魔するんだってば!)することはなくなります。さらには口腔内の空間も充分に確保され、響きや音色もかなり改善。

 

 テクニカルな上手下手はこの際置いておくとして、これでなんとか人前で安心して音を出すことができるようになったのです。

 

 しかしながら、初心者も最初からタング・ブロック奏法を練習すべき……とは思わないし、そもそも出来ないよなぁ……というのが私の実感。やはりパッカー奏法から練習するべきかと。その理由はまた後日。というわけで、さらに続く。